[再燃]半世紀先を走っていた太陽熱温水器

今回は「太陽熱温水器」についての、一見マニアックな内容になります。

でもこの記事を読んでもらえれば、それがただのマニアックなだけのものではないことがわかってもらえるはず。

そう遠くない未来、私たちは再び太陽熱温水器の普及を見届ける事になるかもしれませんよ。


太陽熱温水器が再浮上する3つの理由

どうも、「太陽熱温水器専門家」のギーです。


記事によって肩書きが変わるのは、ご愛嬌ということで。

でも実のところ私、本業では3日に1回は太陽熱温水器を取り付けてるくらいには詳しいんですよ。

この業界に飛び込んで、はや3年が経ちました。

太陽熱温水器だけでなく、実際に使っている方々の生の声にも触れてきたわけです。

そして一般の方よりも、太陽熱温水器のことを考えながら生活をしてきました。

そんな中で思ったことがあるんです。

それは「どうやら太陽熱温水器は、ここから数年で市場が再拡大しそうだ」です。

その理由は3つの「流れ」にあります。

  • 脱炭素社会を目指す「国際的」な流れ
  • 地方移住・田舎暮らしにシフトする「個人」の流れ
  • 個人が発信できる時代の「拡散」の流れ


詳しく解説しますね。

脱炭素社会を目指す「国際的」な流れ

排出ガスイメージ

菅首相が「2050年カーボンニュートラル」を宣言したのが、去年(2020年)の10月のことでしたね。

取り組みが遅れているとはいえ、事実として日本も脱炭素社会に向かっているということなんです。

「脱炭素」とは簡単にいうと、CO2などの温室効果ガスの排出を無くしていく取り組みのことですよね。

この取り組みに貢献できるのが、言わずもがな太陽熱温水器なんですよ。

実際に使ってる方々は、口を揃えてこう言います。

「夏場なんかは給湯器使わないもんねー。」

そう、給湯器の出番がないんです。

これぞ脱炭素。

しかも私の見てきたユーザーは、ほとんどが「平版式」と言われる旧タイプの温水器をつけています。

        ↑平板式

ということは、より性能のいい「ヒートパイプ式」なら、給湯器の出番はさらに減ってしまうわけですね。

       ↑ヒートパイプ式

これほど理にかなった「脱炭素」が、他にあるんでしょうか。

国として取り組んでいる脱炭素化を後押しできる、というのは心理的な障壁を小さくする要因になりそうですよね。

地方移住・田舎暮らしにシフトする「個人」の流れ

最近ではテレビでもよく取り上げられるくらいに、田舎暮らしを好む人たちが増えてきてますね。

自然豊かな風景や環境への憧れも、もちろんあるでしょう。

でもそれだけなら10年も20年も前から、地方移住をする人はたくさんいたはずなんですよ。

ところがどっこい(?)あの頃の私たちは給料のいい仕事や最新のファッションを求めては、田舎から離れていくのが当たり前でした。

じゃあ、昔と今では何が違うのか。

それはやはり、「テクノロジー」でしょうね。

インターネットや輸送インフラが整った今、わざわざ家賃の高い都市部に住まなくても何不自由なく生活や仕事ができることに私たちは気づいてしまったわけです。

ここで大事なのが、「家賃の高い都市部に住まなくても」という部分。

どうやら田舎暮らしには、生活コストが抑えられるというところに魅力があるようなんです。

経済的なプレッシャーが小さくなるという点で、地方移住のハードルは案外低いのかもしれませんね。

さてコストが抑えられるといえば、やっぱり太陽熱温水器。

なにせ「夏場は給湯器使わない」んですから。

しかも田舎は都会に比べて、庭が広い傾向にありますよね。

温水器を屋根に載せるのには抵抗があっても、広い田舎だと地上設置が可能だったりするんです。

「田舎暮らし」と「太陽熱温水器」の相性、エグくないですか?

コロナ禍でますます加速している地方移住の流れ、その先にあるのは太陽熱温水器の「再浮上」なのか。

個人が発信できる時代の「拡散」の流れ

太陽熱温水器が再び注目される、最大の理由がこれなんです。

前述の田舎暮らしに関してもそうなんですが、実際にやってる人がYouTubeなんかで発信してたりしますよね。

そこから「田舎暮らし、いいかも」ってなる人も一定数いるわけです。(私がそうです)

SNSにより全員が発信者となった現代では、この「いいかも」はさらに拡散されるわけです。

そしてこの流れは、太陽熱温水器にも起こるんじゃないかというのが私の考えですね。

なぜなら田舎暮らしに関しては、すでに発信者がたくさんいるわけで。

先ほど言ったように、田舎暮らしと太陽熱温水器は相性抜群なわけです。

きっかけさえあれば、彼らが太陽熱温水器を扱う未来は容易に想像できますよね。

ただ現状だと、太陽熱温水器を扱ってるYouTubeチャンネルはメチャクチャ少ないですね。(2021年9月現在)

そんな中でも、「ecoばかクリエイション」というチャンネルは、ちょくちょく太陽熱温水器を題材にされてますね。

このチャンネルを運営してるモーリーさんという方は、家族で地方移住をされて田舎暮らしのかなりマニアックな発信をしてるんです。

大好きです。

ただマニアックが過ぎて、太陽熱温水器に関してもなんか自作しちゃったりしてるんですよね。

これだとさすがに「いいかも」とはならないんですが。

大好きです。

余談はさておき、「田舎暮らし✖️太陽熱温水器」とか「古民家暮らし✖️太陽熱温水器」系の発信は今後増えていくことは間違いないです。

みなさんの設置の時は、私が手伝いにいきましょうかね。

そんなこんなで拡散の波に乗れば、太陽熱温水器はそこそこの地位を取り戻すんじゃないかなという話でした。

「太陽光発電の方がよくない?」

ソーラーパネル施工イメージ

太陽光発電の方がいいのでは?という意見は当然出てくるでしょうね。

実際、「太陽熱温水器の上位互換が太陽光発電でしょ?」と思ってる方は少なくありません。

これに対する回答は、「上位ではないよ」です。

上位じゃない理由は2つあって、1つは変換効率で、もう1つがコストですね。

太陽光発電のエネルギー変換効率が実は良くないというのは、聞いたことがある方も多いと思います。

太陽熱温水器が平均して50%以上の変換効率なのに対して、太陽光発電はよくて20%ほど。

この差はなかなかのインパクトがありますよね。

大量の太陽光パネルが屋根を覆い尽くしてしまう理由が、これですね。

もちろん太陽光発電は電気に換える分、用途は多いんですけどね。

あと、コストに関しては以下の表を見てください。

導入コスト維持コスト
太陽熱温水器20万円〜40万円
太陽光発電60万円〜100万円超約20万円/10〜15年(パワコン交換)


かなりざっくりなので、太陽熱と太陽光ではコストが全然違うというイメージだけ掴めればOKです。

パワコン(パワーコンディショナの略)というのは、パネルで発電した直流の電気を交流の電気に換えたり電圧を調整したりする機械のこと。

これがですね、10年から15年で寿命が来ちゃうんですよ。

私は仕事で電気工事もやってるんですが、一昨年あたりからこのパワコン交換の依頼は多くなってますね。

そのほとんどのケースが設置後10年とか11年だったりして、ちゃんと寿命が来ることに逆に驚きます。

さらにいうと、太陽光の場合は蓄電池がないと発電した電気が後から使えないんですよね。

この蓄電池がまた高くて、100万円〜200万円はしちゃいます。

一方太陽熱温水器はというと、タンク内のお湯は保温されますから夜でも恩恵を受けられるんです。

さて、まとめると「太陽熱温水器は太陽光発電と比べても低コスト・省スペースで使えて太陽の恩恵を大きく受けられるよ。」となります。

逆に、「潤沢なお金も広い屋根もあるんだったら、電気が使える太陽光発電もいいよね」とも言えますけどね。

太陽熱温水器、再び

今から40年ほど前に急激な普及を見せたものの、みるみる衰退してしまった太陽熱温水器。

それが約半世紀経った今、「脱炭素」というキーワードとともに再び注目されようとしています。

私たちは、まだその真価に気づいてなかっただけだったんです。

まもなく、時代が追いつきます。

普及の大役を担うのは、かつてのような営業マンではなくインターネットです。

そうして注目が集まれば、太陽熱温水器はさらに進化するでしょうね。

現に海外では、斬新な温水器が開発されたりしてるし。

https://pin.it/57tohE6

これ、屋根の棟についてるんですよ、かっこいいですよね。

このような新しい形の太陽熱温水器が、再ブームの火付け役になるのかもしれませんね。

今後が楽しみです。

ちょっと長くなってしまったので、この辺で終わろうと思います。

太陽熱温水器に関しては、今後もちょくちょく書いていこうかな。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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