思い悩む父親

「うつ病かもしれない」子育て期の父親が陥る思考

思い悩む父親



「身も心も削って、家族のために毎日働いている。」


そんなあなたは素敵なお父さんだと思います。


すいません、嘘です。


あなたがボロボロになってしまっては、家族のことは支えられません。


もちろん、家族のために頑張る姿勢は素晴らしい。


でもダメなんです、あなたがキツかったら。


あなたがそんなにツラいのは、間違った思考法のせい。


その思考に引っ張られて、気付かぬうちにツラい方へと進んでいるんです。


そのままだと大袈裟じゃなく、うつになっちゃいますよ。


そこで今回は、子育て期の父親がうつに陥る思考について書いていきます。


実際にうつ病になった、私の実体験にも触れていきますね。


この記事を読んだあと、あなたの心にも少しの希望が生まれていれば幸いです。

父親がうつ病に陥る思考3選


さっそく本題です。


これらの思考も、例を挙げればキリがないんですが。


今回は、特に私が身をもって「ヤバい」と感じたものを3つ挙げてみます。

「家族か、仕事か」

天秤にかけるイメージ



あなたは家族と仕事を天秤にかけてはいないですか?


「家族あっての仕事だけど、仕事あっての家族でもあるからな」


以前、職場の上司にこんなことを言われました。


その場では頷いてしまったんですが、私は何か引っかかっていたんです。


だってこれって、家族と仕事の重みがまるで同等のように聞こえますよね。


おそらく、ほとんどのサラリーマンはこういった考えを持っています。


そしてその間違いに気づいていないんだと思います。


冷静に考えて、家族と仕事の大切さが同等なわけがないですよね。


以前こんなツイートをしました。



そう、ほとんどの人は家族としっかり向き合えていないんです。


そのせいで間違った価値観が、まるで一般常識かのように存在してるんですよ。


そういう意味では、苦しんでるあなたは誰よりも家族と向き合えてるということ。


そんなあなたに周りがついてこれてないんです。


まあ、だからこそ厄介なんですけどね。


なぜ彼らは間違った価値観を押し付けてくるのか。


これ案外かんたんに説明ができるんです。


彼らは「家族を優先できなかった」人たちなんですよ。


言い換えると、「家族を優先してる人にうまくいかれては自分の都合が悪い」人たち。


そりゃ部下や後輩の「家族優先」を牽制したくなるよね。


ということ。


何だか、彼らがかわいそうに思えてきますよね。


でも実際のところ彼らの存在は軽視できなくて、
そのせいであなたは、家族と仕事の両天秤に悩まされているわけですよね。


ここで大事なのは、「自分は間違っているのか」という迷いを捨てること。


このテーマに限ってのことですが。


あなたが間違っていないのは明らかなんですから。


もう十分過ぎるほど悩んだわけですし。


そろそろ自分のスタンスを、明確にしてもいいんじゃないですかね。


そのスタンスでやっぱり居づらい職場なら、そこはあなたの居るべき場所ではないということ。


ちょっと冷たく聞こえるかもしれませんが、そこに縛り付けようとするよりよほど良心的なはず。


環境を変えることで状況が一変することも、珍しくありませんよ。



「自分はまだ正常」

自分を見つめている



うつ病になりかけている時に、陥りやすい思考があります。


そう、それが「自分はまだ正常」ですね。


この記事をここまで読んでいるあなたにも、あえて言わせてもらいます。


そんなに毎日ダルくてツラいのに、正常なわけないですよね?


ごめんなさい、でも自覚は早いに越したことはないので。


実際、私も最初は気合いでなんとかなってたんですよ。


何とかなってるから、「自分はまだ正常」だと思ってました。


けど半年も経たないうちに、仕事に行けない事態に陥りましたね。


今思えば予兆はいくつもあったのに、放っておいた結果が「うつ病」でした。


参考までにその予兆をざっとまとめておきますね。

  • 会話の内容が頭に入ってこない
  • 頭が重くて痛い
  • 朝がとにかく眠い
  • どこか遠くへ行きたい
  • 家でも心から笑えてない
  • 友人のSNSを見ると気分が落ちる


ぱっと思いつくだけでも、これくらいの異変は起きてたんですよね。


それでも当時の私に、心を病んでるという自覚はなかったと思います。


もしあなたがこれに近しい状態なら、今すぐ逃げることをおすすめします。


逃げるというと、聞こえが悪いですかね。


もう少しカッコよく言ってみますね。


「今回の検証は終わりにして、そのデータを持って次の検証に移ろう。」


って感じですかね。


結局のところ、自分に合った環境かどうかなんて入ってみなきゃわかんないワケですから。


「ダメだったら次、そこもダメなら目線を変えて次。」


というふうにしていくのが、精神衛生的にも良いと思いますよ。


あなたが正常かどうかは、あなたが笑顔でいられるかどうかで判断しましょ

「あの人はできている」

羨む図



自分と同じぐらいの子供がいて、同じ仕事をしている同僚や上司がいると陥りやすい思考。


それが「あの人はできている」です。


これ、私もそうだったのですごくよくわかるんですよ。


でもこれって、全くもって無意味な考え方なんですよね。


理由は大きく分けて3つです。

  • 置かれている環境は似ているようで全く違う
    • 「子供がいる」、「仕事内容が一緒」なだけでは同じ条件ではない
    • 通勤距離や一緒に暮らす家族、家での役割などは1人1人全く違う
  • 仕事ができるかどうかは実はたいした問題じゃない
    • 仕事の能力が人生の幸福度に与える影響は非常に小さい
    • 今ある幸福に目を向けられるだけの「心の余裕」が大事
  • モチベーションのあり方は、DNAレベルで異なる(引用『BRAIN DRIVEN  パフォーマンスが高まる脳の状態とは』 青砥瑞人著)
    • 人は自分と同じことを他人にも当てはまると無意識のうちに判断してしまう
    • 人によってモチベーションの高まりやすい要因が違う
    • 今の仕事に対するモチベーションに違いがあるのは仕方がない



どれも当たり前のことですが、言われてハッとするものもあったりしますよね。


そもそも人は他者と比べてしまう生き物です。


でもそこから生まれる嫉妬心や劣等感は、原動力にするのには向いてないんですよ。


なぜなら感情の揺れ動きが大きすぎて、余計なエネルギーが奪われてしまうから。


比べるなら相手は常に「過去の自分」ですね


過去の自分より何かが劣っているなら、そこには何か悪い習慣があるはずですよ。


老化で体力が落ちるとかは別ですけどね。


昨日より今日の自分が1歩進んでれば、それで十分じゃないですかね。


さて、どんな取り組みがいいかというと。


おすすめは読書ですね。


進んでることが確認しやすいですからね。


この「進んでいることが確認できる」というのは精神衛生上ものすごくイイことなんです。

読書って精神安定剤だったんですね。


毎日スマホを眺める時間があるのなら、少しずつ読書にシフトしていくといいですよ。



ゆっくりと子育てに向き合えたのは、ある言葉のおかげ



少し私の話をしますね。


興味がなければここまでで十分です。


ありがとうございました。




さて、私がうつ病になり仕事に行けなくなった話はしましたよね。


それが1人目の子供が生まれて、2年経った頃の話。


1日中わめいてる娘に、ノイローゼ状態の妻。


見捨てるように家を出て、仕事に向かう日々。


もう自分の存在意義がよくわからなくなってたんだと思います。


気づいたら通勤の途中で車を停めて、動けなくなってたんです。

職場からの電話で事の重大さを受け止め、そこから逃げ込むように近所のメンタルクリニックへ。


ここで医師から言われたことは、今でも覚えてますね。


特に最後にかけてくれた言葉で、私は救われたんです。


そのとき言われたことを、少し紹介しておきますね。


「今のあなたは、活動するためのエネルギーが空っぽの状態です。」


「エネルギーを取り戻すには、最低でも2ヶ月ほどのまとまった休息が必要です。」


この時点では、長く仕事を休むことに大きな抵抗があったのを覚えています。


先生はこう続けました。


「とにかく今は、家族と一緒に過ごせる喜びを感じることに専念してください」


この言葉を聞いた瞬間、涙が溢れてきました。


「家族と過ごす喜びなんて、もう何ヶ月も感じてなかった。」


このとき初めて、「休まなきゃいけない」と思えたんです。


すぐに職場に事情を説明し、休職を申し出ました。


会社への後ろめたさとか、妻への申し訳なさとかはあったんですが。


それよりも「やっと家族と一緒にいられる」という安堵。


そっちの方が圧倒的に大きくて、それ以外のことはあんまり深く考えることもできてなかったと思います。


とにかく、先生の言葉のおかげで状況を変えることができたんです。


このように、精神科にかかることはとても有効な手段だったりします。


相手はメンタルケアのプロですからね。


身内に相談するよりは確実に解決に近づくよね、と言う話でした。


ついでに話すと、それからの2ヶ月間は本当に学びが多かったですね。


何にしても重要なのは、やっぱり「時間の余裕」なんですよ。


そのあたりの詳しい話は別の記事「新米パパがすべき3つのこと」に書いてます。



まとめ



今回は子育て期の父親がうつになりやすい思考について解説しました。


まとめておくと以下のとおり

  • 「家族か、仕事か」
    • 家族と仕事の重さは同等じゃないよね
    • 家族優先してて気まずい職場なら転職しましょ
  • 「自分はまだ正常」
    • 毎日笑顔でいられないなら正常じゃないですよ
    • 正常じゃないならさっさと次の手を打ちましょうね
  • 「あの人はできている」
    • 同僚や上司と比べるのは消耗するからやめよう
    • 昨日の自分よりも1歩進んでればOK



まあここまで書いといてなんですが、ほとんどの人は考え方を変えるなんてできないんですよね


なぜなら、いつも通りの毎日を送っているから。


いつも同じことをしているのに、思考回路だけ変わっていくなんてことはありえませんよね。


そんな人が思考を変えていくには2つの方法しかありません。


それが、環境を変えることと読書をすること。


もっと革新的な方法を期待してましたかね。


でもこれ、経験者は全員同意だと思いますよ。


まず、会社を変えるとマジで世界が変わるんですよ。


「オレ、ヤバいところにいたんだなぁ」なんてことがザラにあります。


それと、思考を変える手段としては読書をおすすめしておきます。


結局あなたが変われないのは、あなたが何も知らないからなんですよ。


考え方を変えるには、それ相応の根拠が必要ですからね。


そんなわけで、興味があれば下の記事も読んでみてくださいね。



最後まで読んでいただきありがとうございました。




関連記事

私たちの子育てが大変な理由は、その原因も分からずになんとなく今のままの子育てを続けているからなんです。 家事が追いつかなくて大変なら家事の手間を減らすとか、父親が育児に参加できていないことが原因なら転職して時間を作るようにするなど、[…]

関連記事

転職のハードルが年々下がってきている現代において、その理由として多くなってきているのが「子育て」。 私たちは子育ての忙しさに、ただ闇雲に立ち向かえるほどタフではありません。 子育てが大変ならその職場環境から見直し、改善する必要[…]

思い悩む父親
最新記事をチェック!